インタビュー&ニュース

Professor of Strategy and Entrepreneurship; Robert P Bauman Chair in Strategic Leadership; Executive Education Faculty Director。著書に『戦略の原理―独創的なポジショニングが競争優位を生む』ダイヤモンド社ほか
イノベーションを起こしていく点で、何を行動していくべきでしょうか。

現在は、テクノロジー、人口、寿命、社会の価値観変化等、多くの変化が起こっています。しかも、昔に比べて、競争優位が短期間で変わる時代となっています。その中で、唯一成功継続のためにはイノベーションが必要です。

イノベーションは一つではありません。ビジネスモデル/生産性/商品、など、様々な切り口があります。最初に企業がやるべきことは、自社はどのようなタイプのイノベーションを目指すかを見極め、特定していくことです。

そして、実行性を高めるために必要な行動は4つあります。
 1、様々な問いをし続けること。「なぜ」を多く出していく。
 2、外に目を向けること(Look Outside)。他からアイデアが得られる。
 3、協働(Cooperation)。組織の壁を超えた協働は大事である。
 4、体験・経験をすること。
環境や風土の影響は大きく、リーダーは上記を具現化する仕組みとプロセスを設計していく必要があります。

経営戦略の動的さが増しているのではないでしょうか。

戦略は選択です。
Who-どのセグメントか、どこが顧客対象か、What-何が価値として提供されるのか、ポジショニング、How-どのようにバリューチェーンや市場をつくっていくか、の3点を選択していきます。選択とは他を捨てること、すなわち何をしないかを見極めることでもあります。

そして選択をしたら、そこに資源を投入します。ただし、環境変化には常に留意すべきで、選択が適切であったかどうかは常に問い続け、評価し続けていく必要があります。
ただし、多くの場合は、環境が変わったとしても、選択したものを大きく変える必要はなく、調整すればよいのです。やりがちな間違いは、選択をしないこと、また、選択をしたとしても、成長段階になって選択を薄めてしまうことです。

企業の存在意義、目的が重要になってきますね。

そのとおりです。選択を考えるときに、目的が大事になります。もちろん、競合分析やコアコンピタンスからの発想もあるが、企業の持つバリュー目的からの発想が左右することも多いのです。

私は、ビジネスの目的は、収益の最大化や株主価値の最大化ではなく、美しい製品・サービスを社会に出していくことだと考えます。ゴールはお金ではなく、素晴らしい製品やサービスであり、それを進めると自然と収益が最大になると考えます。人の意欲も、お金だけであがるものではありません。会社が、環境や社会に対する貢献を考えていくことで、従業員も幸せになり、より一生懸命にはたらく。また、顧客もその会社を愛し、サポートする。結果的に、収益性や、生産性や、株価評価にもつながっていくことが重要だと考えます。

今、私は各地域の社会起業家の活動を、研究を通じて普及・波及させていくことに取り組んでいます。企業とソーシャルイノベーションの関わりも、研究を通じて促進できたらと思っています。

※本コメントは2015年9月インタビュー訪問をした際のものです